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稽古会 2009夏
(八月二十七日〜二十八日)
昨夏「夏潮」創刊記念として発足した夏潮稽古会の第二回が八月二十七日から三十一日まで
志賀高原石の湯ロッジにて開催された。
A組(一泊)B組(二泊)の第一陣が長野駅前志賀高原行のバス停に十時集合、十時十分出発。
上上のお天気にバスは林檎畑、葡萄畑、栗林の拡がる中を走り、やがて山道に差し掛る。
初紅葉、色鮮やかな花を左右に葛折に登り十一時半木戸池着。
ロッジの車にて石の湯到着。先に着かれた英主宰、前北氏、いずみさんが笑顔で迎えて下さる。
ロッジの皆様にお目にかかり、主宰のお若い頃よりの御縁が大きな輪となり続いているのを実感する。
いずみさんよりお手作りの予定表、周辺のお花の写真、地図を頂く。
食堂でお弁当を頂き三三五五吟行に出掛ける。
手入れされたロッジの裏道を渓川まで行く。
丸太橋は所を得て辺りの景色に馴染んでいる。
川を渡り笹を分け入り細道をりんどう平へ。
梅鉢草、金水引、山母子、鳥の声に足を止めながら登り詰めるとロープで囲まれたガレ場に駒草がわずか咲き残っている。
山苺が真赤に熟れている。
りんどう平は笹が繁茂して杉苔を狭めているがその笹を抜いて竜胆が色濃く咲いている。
田村草の澄んだ色、くれないに輝く芒の一叢も印象的であった。
空は青く雲は白く笠岳が形良く望めた。
引き返して平床へ。
今年は晴の日と雨の日がきっちり分かれたことから草花の生育が良く、柳蘭が反魂草と丈を競う程の花野となっている。
松虫草があちこちに咲き淡い青等の優しい雰囲気を醸している。
帰途は道辺の薊、吾亦紅、野紺菊、釣鐘人参、梅鉢草と楽しんだ。
田の原の湿原や渋池、ひょうたん池に行かれた方もあり佳句が続出した。
四時、第一回句会、十九名七句。
主宰より個性溢れる御講評を頂く。
終了後夏潮のTシャツが配られる。
主宰の姉上様の今年のデザインは飛魚。
ホールには清楚な花や高原野菜が飾られ、棚に主宰の新句集『八月』が置かれある。
七時より夕食、八時螢見。
外に出ると八日月が雲間より現れ星も見える。
全国的にも珍しい高冷地の源氏螢、ビューポイントの橋まで行く。
暗闇に高舞う螢、草に沈み瞬く螢、連れ舞う螢……幻想の世界に引き込まれていく。
誰かのズボンに螢が止まり掌に。
手から手へ送られ青い明滅に息を呑む。
そのうち螢火が消え、月も星も隠れ水音のみの深いとなる。
九時、夜句会。兼題、鵲、吉田の火祭。
二十八日。今日も晴天に恵まれそう。
二の沢橋を渡り白樺林へ。
虎杖がよく茂り花盛り。
猪独活の大きな花の白も目立つ。
林の中にブランコが一つ、そっと乗ってみる。
再び花野に行く。
途中鶯が鳴いており地鳴きと教わる。
草の紅葉も始まっていた。
彩とりどりの花野に朝日が差し渡り松虫草は清らかさを湛えていた。
七時半より朝食。
九時第二回句会。
一句一句の御講評に感慨を深くする。
句会終了後記念撮影、一泊組とここでお別れとなる。
二泊組はお弁当を持ちそれぞれ吟行地に向かった。
句抄
来年も花野に逢はむ加餐せよ 本井英
燈火親し逢ふて語りて同い年 ミチ
つくよみの光明るく螢飛ぶ 基
風ゆるく花野に朝日差し渡る 武子
八千草のそれぞれの彩尽くしけり 玲子
山の風松虫草を頷かせ 正枝
新涼の風がきらきらしてをりぬ 今日古
猪独活の花のしんなりしてをりぬ 和子
踏み入りて花野の果つるところまで 明朗
朝日さしわたりし山の赤とんぼ 敬子
闇に生れ闇に消えゆく螢かな さえ
てのひらの螢火かこみ声上がる 淳子
志賀の風に短けれど佳き夏休み 洋子
穂芒に風速十五センチほど かおる
振り向いて松虫草のもう見えず なな
松虫草に山の夕日の淡かりし 道子
秋の朝空だんだんと青くなる 裕子
ゆく道に見つけて嬉し女郎花 照男
秋高しリフトの揺れに身を委ね 美保 (道子記)